メンバー紹介②

こんにちは。関西自主研コミュニティ副会長のふろしきです。
市役所に勤務しながら、アカペラや管楽器の音楽活動とか、即興劇なんかも楽しんでいます。

さて、私は「みんなのためにする仕事がしたい。それも、生活する人たちに最も近い市町村がよい。」くらいの感覚で市役所を選択しました。
結果的にこの選択を後悔していないし、多くの出会いや学びを得ているので、よかったと思っています。

でも、「みんなのためにする仕事」から、ほとんど公務員しか考えなかった点は、経験の乏しさゆえと感じます。
実際は、多くの民間企業は「みんなのため」に仕事をしています(利益は必須だけれど)。とりわけ、近年はCSR、CSVの取り組みが当たり前のように言われ、各企業は努力しています。
また、最近はNPOが存在感を強めており、行政とは違う立場で公のための仕事をしています。公務員でなくても「みんなのため」の仕事はたくさんできそうです。

いっぽう、行政が本当に「みんなのため」に仕事をしているか、という点には大きな疑問があります。みなさんも感じているのではないでしょうか。

そもそも、「みんな」とは誰のことでしょう?
ある事柄に関して何らかの施策を展開するとき、「みんな」の意思がクリアに行政に伝わるなら、こんなラクなことはありません。でも現実は、いろんな立場のステークホルダーがいて、それぞれの対立軸を行政に投げかけます。行政は板挟み、結局、可も不可もない、カドの取れた施策になったり、前例を踏襲してお茶を濁したりします。
また、行政の担当者がどの立場の「住民」を相手にする職場にいるかにより、発想が真逆になる、ということもままあります。

懸命に作物を作り、地域の農業を維持しようとする農家さんも住民なら、その農家さんが草刈り後に行う野焼きで洗濯物が干せない、というご近所さんも住民です。
夏の屋外イベントで楽しい音楽や露店の食べ物を楽しむ家族連れも住民なら、イベント会場近くであまりの音量に耐えかねて「うるさい!やめろ!」と苦情を入れる人も住民です。
子どもにもコンサートを聴かせたいと子連れでやってきて、あまりに子どもが騒ぐので、スタッフがいったん退出を願ったところ怒り出すお母さんは、「子どもに良い経験をさせてやりたい」という思いがただ強いだけという場合もあるけれど、それでも周囲のお客さんは正直「出て行ってくれ」と思っています。
ケガをした鳥がうずくまっていてかわいそうだから助けてやれ、と言う気持ちはわかるけど、それをしだすとキリがないし、本来業務がストップします。本来業務をフォローするような余った人はいません。

こうして相反する利害関係者の間に立ち、双方から責められ双方に謝る、そういう仕事、耐える仕事が公務員だとも言えるでしょう。それは宿命でもあります。

とはいえ、そうして耐えるばかりの日々では、仕事の質も高まりませんし、身体的にも精神的にも健康を害してしまいます。考え方やスキルを磨いて、このような状況を少しでも良くしていきたい。

関西自主研コミュニティは、日々の仕事や活動に真剣に取り組む皆さんと一緒に学びあい、高めあい、充実して健康な毎日を送るためのスパイスを提供するところだと考えます。
公務員だけでなく、その周辺にいるたくさんの人たちとともに、よりよい地域社会をつくるため、ともに活動しましょう。